第3部 第6章 関係代名詞

前置詞+関係代名詞 ─ in which, of whom の読み方

前置詞+関係代名詞の形は、語順リーディングでは「前置詞が先に立って、その後に脇道の入り口が来る」と捉えます。
in which や of whom のような構造では、前置詞が意味の方向性を示し、whichが脇道のシグナルとなります。
この認識により、複雑に見える文も順序立てて理解することができるようになります。

概念の導入

前置詞+関係代名詞は、一見複雑に見えますが、語順リーディングの視点では実にシンプルです。大切なのは、前置詞が先に意味の方向性を示し、その後に関係代名詞が脇道への入り口を作るという認識です。

たとえば in which では、まず in(〜の中で、〜において)という意味の方向性が示され、その後 which が「それについて詳しく説明する脇道」への入り口を示します。従来の「後ろから前に戻って訳す」アプローチとは異なり、この語順で意味を捉えることで、自然な英語理解が可能になります。

語順リーディングのポイント
  • 前置詞(in, of, to など)は意味の方向性を先に示す
  • 関係代名詞(which, whom)は脇道への入り口のシグナル
  • 前置詞の意味を保持しながら、脇道の内容を読み進める
  • 脇道が終わったら、前置詞の意味と合わせて全体を理解する
文法的な位置関係

前置詞+関係代名詞は、もともと関係詞節内の前置詞句が前に移動したものです。しかし語順リーディングでは、この文法的変化よりも「読む順序での意味把握」を重視し、前置詞→関係代名詞の順で認知プロセスを組み立てます。

1基本パターンの理解

例文1

The laboratory in which the research was conducted has become a model for sustainable science practices.

語順リーディング
The laboratory
主語として「その研究室」が登場。まだ文の方向性は見えない
in which
「〜の中で」という前置詞の意味が先に立ち、その後 which で脇道に入った(関係詞節)。この研究室について「その中で何かが」という展開を予感
the research was conducted
脇道の中で was conducted が現れ、「その研究が行われた」という情報が提供された。「その研究室の中で、その研究が行われた」という修飾関係が完成
has become
脇道から戻って、メインの has become が登場。主語「その研究室」がついに動き始めた
a model for sustainable science practices.
「持続可能な科学実践のモデル」として、文の完結部が提示された
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The laboratory → その研究室は
in which the research was conducted → その中でその研究が行われた
has become → なっている
a model for sustainable science practices → 持続可能な科学実践のモデルに
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
その研究が行われた研究室は、持続可能な科学実践のモデルとなっている。
「in which = その中で」という前置詞の意味を活かして、「その研究室の中で研究が行われた」という修飾関係を自然な日本語で表現しました。前置詞の方向性が、関係詞節の意味を明確にしています。

2複雑な構造への応用

例文2

The philosopher from whom these revolutionary ideas emerged had studied ancient texts that most scholars of his time dismissed as irrelevant.

語順リーディング
The philosopher
主語「その哲学者」が提示された。これから何らかの説明が続く予感
from whom
「〜から」という出所・起源を示す前置詞の方向性が先に立ち、whom で脇道に入った(関係詞節)。この哲学者から何かが出てくるという展開を予測
these revolutionary ideas emerged
脇道内で emerged が現れ、「これらの革命的なアイデアが現れた」という情報。「その哲学者から、これらの革命的なアイデアが生まれた」という修飾関係が成立
had studied
脇道から戻って、メインの had studied が登場。主語「その哲学者」の行動が描かれ始めた
ancient texts
「古代のテキスト」が目的語として現れた。さらに説明が続きそうな気配
that most scholars of his time dismissed
that で再び脇道に入った(関係詞節)。「当時のほとんどの学者たちが dismiss(却下、無視)した」という情報で ancient texts をさらに限定
as irrelevant.
「無関係なものとして」という形で dismissed の詳細が示され、文全体が完結した
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The philosopher → その哲学者は
from whom these revolutionary ideas emerged → そこからこれらの革命的なアイデアが生まれた
had studied → 研究していた
ancient texts → 古代のテキストを
that most scholars of his time dismissed as irrelevant → 当時のほとんどの学者が無関係として却下した
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
これらの革命的なアイデアを生み出したその哲学者は、当時のほとんどの学者が無関係として却下した古代のテキストを研究していた。
「from whom = そこから」という前置詞の意味(出所・起源)を活かして、「哲学者からアイデアが生まれた」という関係性を表現しました。複数の修飾句が重なっていますが、語順リーディングにより、どの要素がどこを修飾しているかが明確に把握できます。

3まとめ

  • 前置詞+関係代名詞では、前置詞が先に意味の方向性を示し、関係代名詞が脇道への入り口となる
  • in which, of whom, from which などの形で、前置詞の意味を保持しながら関係詞節を読み進める
  • 前置詞の意味(in=中で、from=から、of=の)が関係詞節の内容と主語の関係性を明確にする
  • 複数の関係詞節が重なっても、それぞれの脇道を順序立てて処理することで全体構造を把握できる
  • 和訳時は前置詞の意味を活かして、修飾関係を自然な日本語で表現することが重要
  • 従来の「後ろから前に戻る」読み方ではなく、語順通りの意味構築により英語的思考を身につける

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