第2部 第5章
準動詞の総合問題 ─ 複合的な構造を読み解く
1つの文に不定詞・分詞・動名詞が複数含まれる複雑な構造を読み解いていきます。語順リーディングで脇道を整理しながら読み進め、準動詞の総合的な理解を深めます。複合的な構造でも、一つ一つの要素を丁寧に認知していけば、必ず読み解くことができます。
1複合的な準動詞構造の理解
入試では、不定詞・分詞・動名詞が1つの文に複数含まれるケースがよく出題されます。このような文では、各準動詞がどの語句とつながっているかを正確に把握することが重要です。
語順リーディングでは、準動詞が現れた時点で「これが本流か脇道か」を判断し、脇道の範囲を明確にしながら読み進めることで、文の骨格を見失わずに済みます。
準動詞の複合構造を読み解く3つのポイント
- 本流と脇道の判別:準動詞句が主文の要素なのか修飾なのかを判断
- 関係性の把握:各準動詞がどの語を修飾・補完しているかを確認
- 段階的な理解:複雑な構造は一度に理解しようとせず、チャンクごとに処理
発展:準動詞の重層構造
準動詞の中に別の準動詞が含まれる「入れ子構造」も存在します。例えば、不定詞の中に分詞構文が含まれる場合などです。このような場合は、外側の構造から順番に把握していくことで、混乱を避けることができます。
2例文1:不定詞と分詞の共存パターン
例文1
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The research team decided to investigate the phenomenon observed in previous studies to determine its underlying mechanism.
語順リーディング
The research team
研究チームが主語。何をするのだろう。
decided
決定した。何を決定したのか、後に続くはず。
to investigate
調査することを決定した。decide to do の構造。何を調査するのだろう。
the phenomenon
現象を調査する。どんな現象なのか詳しい説明が来そう。
observed in previous studies
脇道に入った(過去分詞による修飾)。以前の研究で観察された現象、という意味で phenomenon を修飾している。
to determine
もう一つの不定詞が登場。investigate と並列か、目的を表すか。文脈的には目的「〜するために」のようだ。
its underlying mechanism.
その根本的なメカニズムを決定するために。its は phenomenon を指している。全体の構造が見えた。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The research team → 研究チーム
decided → 決定した
to investigate → 調査することを
the phenomenon → 現象を
observed in previous studies → 以前の研究で観察された
to determine → 決定するために
its underlying mechanism その根本的なメカニズムを
decided → 決定した
to investigate → 調査することを
the phenomenon → 現象を
observed in previous studies → 以前の研究で観察された
to determine → 決定するために
its underlying mechanism その根本的なメカニズムを
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
研究チームは、その根本的なメカニズムを解明するために、以前の研究で観察された現象を調査することを決定した。
一つ目の不定詞「to investigate」は decide の目的語、過去分詞「observed」は phenomenon を修飾、二つ目の不定詞「to determine」は目的を表している。複数の準動詞が絡み合っているが、それぞれの機能を整理すると文の構造が明確になる。
3例文2:3種類の準動詞が登場する長い文
例文2
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Understanding the impact of emerging technologies requires analyzing vast amounts of data generated by users interacting with these systems to predict future trends.
語順リーディング
Understanding the impact of emerging technologies
動名詞句で始まる。新興技術の影響を理解することが主語になりそう。長い主語だ。
requires
〜することを必要とする。何が必要なのだろう。
analyzing vast amounts of data
大量のデータを分析することが必要。analyzing は動名詞で requires の目的語。どんなデータなのか詳しい説明が来るかもしれない。
generated by users
脇道に入った(過去分詞による修飾)。ユーザーによって生成されたデータ、という意味で data を修飾している。
interacting with these systems
脇道に入った(現在分詞による修飾)。これらのシステムと相互作用しているユーザー、という意味で users を修飾している。
to predict future trends.
将来のトレンドを予測するために。不定詞による目的の表現。analyzing の目的を示している。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
Understanding the impact of emerging technologies → 新興技術の影響を理解すること
requires → 必要とする
analyzing vast amounts of data → 大量のデータを分析することを
generated by users → ユーザーによって生成された
interacting with these systems → これらのシステムと相互作用している
to predict future trends 将来のトレンドを予測するために
requires → 必要とする
analyzing vast amounts of data → 大量のデータを分析することを
generated by users → ユーザーによって生成された
interacting with these systems → これらのシステムと相互作用している
to predict future trends 将来のトレンドを予測するために
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
新興技術の影響を理解するには、将来のトレンドを予測するために、これらのシステムと相互作用しているユーザーによって生成された大量のデータを分析することが必要である。
動名詞「Understanding」(主語)、動名詞「analyzing」(目的語)、過去分詞「generated」(data修飾)、現在分詞「interacting」(users修飾)、不定詞「to predict」(目的)の5つの準動詞が含まれている。それぞれが異なる文法機能を担っているが、語順通りに認知していけば、複雑に見える構造も段階的に理解できる。
4まとめ
- 複数の準動詞が含まれる文では、本流と脇道を明確に区別しながら読み進める
- 準動詞が現れた時点で、その機能(主語・目的語・修飾・目的など)を判断する
- 語順リーディングでは、チャンクごとに構造を把握し、段階的に全体像を構築する
- 入れ子構造の準動詞も、外側から順番に処理していけば必ず理解できる
- 和訳プロセスでは、各準動詞の日本語を確定してから全体を統合する
- 複雑な構造でも焦らず、一つ一つの要素を丁寧に認知することが重要
- 準動詞の種類と機能を正確に把握すれば、どんな複合構造も読み解ける
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