第4章 分詞の識別と訳し分け
分詞構文の基本 ─ 副詞としての分詞
分詞構文は文頭や文末に現れる副詞的な要素で、時や理由、付帯状況などを表します。
語順リーディングでは「背景情報が来た→本筋はこの後」という流れで処理していきます。
従来の「分詞構文の意味を特定してから」という読み方ではなく、背景として読み流す感覚を身につけましょう。
語順リーディングでは「背景情報が来た→本筋はこの後」という流れで処理していきます。
従来の「分詞構文の意味を特定してから」という読み方ではなく、背景として読み流す感覚を身につけましょう。
1分詞構文の認知アプローチ
分詞構文とは、-ingや-edで始まる副詞的な句のことです。これが文頭や文末に現れると、多くの学習者は「これは時を表すのか、理由を表すのか」と悩みがちですが、語順リーディングではそこまで厳密に考える必要はありません。
重要なのは「背景情報→本筋」という認知の流れです。文頭に分詞構文があれば「何らかの背景が示された、本筋はカンマの後に来る」と処理し、文末にあれば「主文の動作に付随する情報」として読み流します。
分詞構文の語順リーディング・ポイント
- 文頭の分詞構文:「背景情報が来た→本筋はカンマの後」として処理
- 文末の分詞構文:「主文に付随する情報」として軽く読み流す
- 意味の特定は後回し:時・理由・条件の区別は和訳時に考える
- 主語の共通性:基本的に主文と分詞構文の主語は同じ
発展:分詞構文の省略形について
分詞構文は本来「Being tired, I went to bed early.」のような形ですが、Beingは通常省略されます。また、完了形の場合は「Having finished my homework, I watched TV.」となり、否定は「Not knowing the answer, he remained silent.」のようにnotを前置します。
2例文1:文頭の分詞構文(時・理由)
例文1
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Looking at the old photographs, she remembered her childhood days spent in the countryside.
語順リーディング
Looking at the old photographs,
古い写真を見ながら、という背景情報。脇道に入った(分詞構文)。本筋はカンマの後に来る予感。
she
彼女が、という主語。分詞構文の主語と同じ人物のはず。
remembered
思い出した。これが本筋の動作。
her childhood days
彼女の子供時代を。何を思い出したかが明確になってきた。
spent in the countryside.
田舎で過ごした、とchildhood daysを修飾。過去分詞による後置修飾。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
Looking at the old photographs, → 古い写真を見ながら、
she → 彼女は
remembered → 思い出した
her childhood days → 彼女の子供時代を
spent in the countryside 田舎で過ごした
she → 彼女は
remembered → 思い出した
her childhood days → 彼女の子供時代を
spent in the countryside 田舎で過ごした
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
古い写真を見ながら、彼女は田舎で過ごした子供時代を思い出した。
文頭の分詞構文「Looking at」は時間的な背景を表している。「〜しながら」「〜すると」といった日本語で表現するのが自然。主文「remembered」の動作と同時に起こる動作として処理。
3例文2:文末の分詞構文と曖昧な意味
例文2
★
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The professor left the classroom without saying a word, leaving his students confused about the assignment.
語順リーディング
The professor
その教授が。主語。
left the classroom
教室を去った。メインの動作。
without saying a word,
一言も言わずに。前置詞句による付帯状況。
leaving his students confused
学生たちを混乱した状態にしたまま。脇道に入った(分詞構文)。「left」の結果として起きたこと。
about the assignment.
課題について。何について混乱しているかを説明。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The professor → その教授は
left the classroom → 教室を去った
without saying a word, → 一言も言わずに
leaving his students confused → 学生たちを混乱したままにして
about the assignment 課題について
left the classroom → 教室を去った
without saying a word, → 一言も言わずに
leaving his students confused → 学生たちを混乱したままにして
about the assignment 課題について
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
教授は一言も言わずに教室を去り、学生たちを課題について混乱したままにした。
文末の分詞構文「leaving」は結果や付帯状況を表す。この文では教授が去った結果として学生が混乱した状態が残された、という因果関係を示している。「〜して、その結果…」「〜したまま」といった日本語表現が適切。
4まとめ
- 分詞構文は-ingや-edで始まる副詞的な句で、文頭・文末に現れることが多い
- 語順リーディングでは「背景情報→本筋」「本筋→付随情報」の流れで処理する
- 文頭の分詞構文は背景として読み、カンマ後の主文を待つ姿勢で読む
- 文末の分詞構文は主文の動作に付随する情報として軽く読み流す
- 時・理由・条件などの厳密な意味区別は和訳時に文脈から判断すればよい
- 分詞構文の主語は基本的に主文と共通している
- 「〜しながら」「〜すると」「〜して」「〜したまま」など文脈に応じた日本語表現を選ぶ
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