第3章 不定詞の識別と訳し分け

不定詞の意味上の主語 ─ for O to V / of O to V

不定詞の動作を実際に行う主語が文の主語と異なる場合、for O to V や of O to V で明示されます。
語順リーディングでは「forが来た→不定詞の主語が指定された」と瞬時に認識することが重要です。
和訳では「Oが〜すること」「Oが〜するとは」など、文脈に応じて自然な日本語にします。

1不定詞の意味上の主語の認識

不定詞は「〜すること」「〜するために」などの意味を表しますが、その動作を実際に行うのは誰なのかが重要です。通常は文の主語と同じですが、異なる場合はfor O to Vof O to Vで明示されます。

for O to V と of O to V の基本認識
  • for O to V:「Oが〜すること」の基本パターン。中性的な表現
  • of O to V:「Oが〜するとは」で、しばしば人の性格・性質への評価を含む
  • 語順リーディング:forが来た瞬間に「不定詞の主語を指定している」と認識
  • 和訳のコツ:文脈に応じて「Oにとって」「Oが」「Oが〜するのは」などに調整
of O to V の背景知識

of O to V は通常、It is 形容詞 of O to V の構文で使われ、その形容詞が人の性格や性質を表すものの場合に選ばれます。kind, wise, foolish, careless など、人を評価する形容詞と組み合わさることが多いです。

2for O to V の基本パターン

例文 1

The government decided for universities to reduce their carbon emissions by implementing renewable energy systems.

語順リーディング
The government
政府が、という主語。何をするのか見ていこう。
decided
決定した。何を決定したかは次の要素で明らかになる。
for universities to reduce
forが来た。不定詞の意味上の主語を指定するパターン。universitiesが reduce するということを決定した。
their carbon emissions
reduceの目的語。炭素排出量を削減する。
by implementing renewable energy systems
手段を示すby。再生可能エネルギーシステムを導入することによって、という方法論。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The government → 政府は
decided → 決定した
for universities to reduce → 大学が削減することを
their carbon emissions → それらの炭素排出量を
by implementing renewable energy systems → 再生可能エネルギーシステムを導入することによって
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
政府は、大学が再生可能エネルギーシステムを導入することによって炭素排出量を削減することを決定した。
for universities to V で「大学が〜すること」を表している。政府が決定した内容は、実際には大学が行う動作である点がポイントです。

3It is 形容詞 of O to V の複雑な文

例文 2

It was extremely thoughtful of the volunteers to organize a comprehensive support program for families affected by the natural disaster.

語順リーディング
It was
仮主語のIt。真主語は後で明らかになる。「それは〜だった」
extremely thoughtful
非常に思慮深い、という評価。thoughtfulは人の性質を表す形容詞なので、of を使うパターンが予想される。
of the volunteers
予想通りofが来た。volunteersの行為を評価している構造。
to organize
真主語となる不定詞句の開始。organize(組織する、企画する)という動作。
a comprehensive support program
organizeの目的語。包括的な支援プログラム。
for families affected by the natural disaster
そのプログラムの対象。自然災害の影響を受けた家族のため。affected は過去分詞による後置修飾。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
It was → それは〜だった
extremely thoughtful → 非常に思慮深い
of the volunteers → ボランティアの人々が
to organize → 企画することは
a comprehensive support program → 包括的な支援プログラムを
for families affected by the natural disaster → 自然災害の影響を受けた家族のために
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
ボランティアの人々が自然災害の影響を受けた家族のために包括的な支援プログラムを企画したのは、非常に思慮深いことだった。
of O to V は「Oが〜するのは」という意味で、その行為に対する評価を表します。thoughtfulという人格的評価の形容詞だからofが使われています。

4まとめ

  • for O to V と of O to V は不定詞の意味上の主語を明示する重要な構文です
  • 語順リーディングでは、forやofが現れた瞬間に「不定詞の主語を指定している」と認識します
  • for O to V は中性的で「Oが〜すること」、of O to V は人格評価を含み「Oが〜するとは」となります
  • It is 形容詞 of O to V では、その形容詞が人の性格・性質を表す場合にofが選ばれます
  • 和訳では文脈に応じて「Oが〜すること」「Oにとって」「Oが〜するのは」など自然な表現にします
  • この構文は文の真の主語が文頭の主語と異なる場合に必須の知識となります

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