第3章 不定詞の識別と訳し分け

名詞的用法 ─ SやOになる不定詞

to不定詞が名詞の役割を果たして主語や目的語になるパターンです。
語順リーディングでは「to Vが来た→これが主語/目的語だ」と瞬時に判断します。
It is ... to V や find it ... to V などの重要構文も含まれます。

1不定詞の名詞的用法とは

不定詞の名詞的用法とは、to不定詞が名詞の働きをして、文の主語・目的語・補語になることです。動名詞(Ving)と同じような役割を果たしますが、ニュアンスに違いがあります。

語順リーディングでは、to不定詞が現れた瞬間に「これが何の役割を果たしているか」を判断します。文頭にあれば主語、動詞の直後にあれば目的語、といった具合です。

名詞的用法のポイント
  • 主語になる場合:To learn English is important. のように文頭に来る
  • 目的語になる場合:I want to go home. のように動詞の直後に来る
  • 形式主語構文:It is ... to V で「Vすることは...だ」
  • 形式目的語構文:find it ... to V で「Vすることを...だと思う」
不定詞と動名詞の使い分け

不定詞は「未来志向・意図的」、動名詞は「既存・事実」のニュアンスがあります。例えば I like to play tennis(テニスをすることが好き)と I like playing tennis(テニスをするのが好き)では微妙に違います。

2例文1:It is ... to V の形式主語構文

例文

It is essential to understand the cultural context when studying foreign languages.

語順リーディング
It is essential
形式主語のItが来て、述語動詞のisがある。「それは不可欠だ」と言っている。でも「それ」の正体はまだ分からない。
to understand the cultural context
to不定詞が来た。これがItの正体だ。「文化的文脈を理解すること」が主語になっている。
when studying foreign languages
whenで時を表す副詞節が始まる。「外国語を学ぶとき」という条件を追加している。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
It is essential → それは不可欠だ
to understand the cultural context → 文化的文脈を理解すること
when studying foreign languages → 外国語を学ぶときには
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
外国語を学ぶときには、文化的文脈を理解することが不可欠である。
It is ... to V構文では、to不定詞の内容を先に訳してから「〜することは...だ」とつなげるのが自然です。形式主語Itは訳出しません。

3例文2:find it 形容詞 to V の構文

例文

Many researchers find it challenging to balance rigorous methodology with accessible writing.

語順リーディング
Many researchers find it challenging
「多くの研究者」が主語で、述語動詞のfindがある。「それを困難だと思っている」。でもitの正体はまだ不明。
to balance rigorous methodology
to不定詞が登場。これがitの正体だ。「厳密な方法論をバランス取ること」がfindの目的語になっている。
with accessible writing
withで「〜と一緒に」。「アクセスしやすい文章と一緒に」という意味で、balanceの相手を示している。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
Many researchers find it challenging → 多くの研究者はそれを困難だと思っている
to balance rigorous methodology → 厳密な方法論をバランス取ること
with accessible writing → 読みやすい文章と
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
多くの研究者は、厳密な方法論と読みやすい文章のバランスを取ることを困難だと感じている。
find it 形容詞 to V構文では「Vすることを〜だと思う」と訳します。形式目的語itは訳さず、to不定詞の内容を目的語として扱います。

4まとめ

  • 不定詞の名詞的用法は、to不定詞が主語・目的語・補語になる用法です
  • 語順リーディングでは、to不定詞が現れた位置で即座に役割を判断します
  • It is ... to V構文では、to不定詞が真の主語になっています
  • find/think/consider it 形容詞 to V構文では、to不定詞が真の目的語です
  • 形式主語・形式目的語のitは和訳では省略するのが一般的です
  • 不定詞は「未来志向・意図的」なニュアンスを持ちます
  • 動名詞との使い分けは文脈と動詞の性質によって決まります

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