第1部 第2章

形容詞の後置修飾 ─ 名詞の後ろに来る修飾語

日本語では「重要なもの」と言いますが、英語では something important のように形容詞が後ろに来ることがあります。
語順リーディングなら、名詞を読んでから後ろの形容詞で「詳しく説明してくれるな」と自然に受け取れます。
この語順の違いを理解すると、英語らしい表現がスムーズに読めるようになります。

1形容詞の後置修飾とは

英語の形容詞は普通、名詞の前に置かれます(a big house, an important decision など)。しかし、特定の条件下では名詞の後ろに来ることがあります。これを後置修飾と呼びます。

後置修飾が起こる主なケースは次の通りです。

  • something, anything, nothing などの後:something important(重要なこと)
  • -able, -ible 形容詞:data available(利用可能なデータ)
  • 分詞(現在分詞・過去分詞):people involved(関わった人々)
  • 形容詞句(前置詞句を伴う形容詞):a man eager to learn(学びたがっている男性)
語順リーディングでの捉え方

後置修飾を語順リーディングで読むと、まず名詞でイメージを作り、その後に続く形容詞で「追加情報が来た」と感じます。これは英語話者の認知プロセスと同じで、自然な読み方と言えます。

  • something(何か) → important(重要な)= 「何か重要なもの」
  • data(データ) → available(利用可能な)= 「利用可能なデータ」
発展:なぜ後置修飾が起こるのか

後置修飾は、修飾する形容詞が長くなったり、特別な意味を持ったりする場合に起こります。something や anything の場合は、これらの語が「漠然とした何か」を表すため、具体的な説明が後から必要になるという言語的な理由があります。

2例文1:-able形容詞の後置修飾

例文

Scientists need to collect all information available before reaching any conclusions about climate change.

語順リーディング
Scientists
科学者たちが主語。何かする予定。
need to collect
述語動詞が出現。「集める必要がある」という動作が確定。何を集めるのか期待。
all information
「すべての情報を」が目的語として登場。でもまだ続きそう。
available
available が後ろから information を修飾。「利用可能な」という条件が追加された。
before reaching any conclusions
「何かの結論に達する前に」という時間的条件。reaching の目的語として conclusions が来た。
about climate change
「気候変動について」で conclusions を詳しく説明。全体の文脈が明確になった。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
Scientists → 科学者たちは
need to collect → 集める必要がある
all information available → 利用可能なすべての情報を
before reaching any conclusions → 何らかの結論に達する前に
about climate change → 気候変動について
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
科学者たちは、気候変動についていかなる結論に達する前にも、利用可能なすべての情報を集める必要がある。
available は「手に入る」「利用できる」という意味で、information を後ろから修飾しています。「すべての利用可能な情報」ではなく「利用可能なすべての情報」と訳すことで、available が後置されていることが分かりやすくなります。

3例文2:分詞+後置修飾の複雑な名詞句

例文

The researchers interviewed people concerned about environmental issues to understand perspectives different from those prevalent in academic circles.

語順リーディング
The researchers
研究者たちが主語。何をしたのか待ち。
interviewed
過去形。「インタビューした」が確定。誰にインタビューしたのか期待。
people concerned about environmental issues
people を concerned が後置修飾。「環境問題を心配している人々」を対象にインタビューした。
to understand
目的を表す不定詞。「理解するために」インタビューした。何を理解するのか。
perspectives different from those
perspectives を different が後置修飾。「〜とは違った視点」。those は perspectives の代わり。
prevalent in academic circles
those(perspectives)を prevalent が修飾。「学術界で一般的な視点」と対比している。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The researchers → 研究者たちは
interviewed → インタビューした
people concerned about environmental issues → 環境問題を懸念している人々に
to understand → 理解するために
perspectives different from those → それらとは異なる視点を
prevalent in academic circles → 学術界で一般的な
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
研究者たちは、学術界で一般的なものとは異なる視点を理解するために、環境問題を懸念している人々にインタビューした。
concerned と different という2つの形容詞が後置修飾で使われています。people concerned で「心配している人々」、perspectives different で「異なる視点」となり、それぞれ後ろから名詞を詳しく説明しています。those は perspectives を指す代名詞です。

4まとめ

  • 形容詞の後置修飾は、名詞の後ろに形容詞が来る英語特有の語順です
  • something/anything + 形容詞、-able/-ible形容詞、分詞などで頻繁に起こります
  • 語順リーディングでは、名詞でイメージを作ってから形容詞で追加説明と捉えます
  • 「重要なもの」ではなく「何か重要な」のように、英語の語順に沿って理解する方が自然です
  • 複雑な文では複数の後置修飾が組み合わさることがありますが、一つずつ処理していけば読めます
  • available, concerned, different, involved などの形容詞は後置修飾でよく使われます
  • 和訳では日本語として自然になるように語順を調整しますが、理解は英語の語順のまま進めます

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