第12章 強調構文

It is ~ that ... の見分け方 ─ 形式主語との区別

「It is ... that ~」には強調構文と形式主語構文という2つの顔があります。
語順リーディングでは、that以下を読んでいって「何か足りない」と感じたら強調構文と判断します。
形式主語は完結しているのに対し、強調構文は文が欠けているという構造的違いがポイントです。

1強調構文と形式主語構文の見分け方

「It is ... that ~」という形を見かけたとき、これが強調構文なのか形式主語構文なのかを瞬時に見分ける必要があります。

形式主語構文の場合、「It is difficult that he should understand this theory」のように、that以下は完結した文になっています。一方、強調構文では「It was John that solved this problem」のように、that以下を見ると「solved this problem」となっており、主語が足りません。

語順リーディングでは、that以下を頭から読んでいって「あれ、何かが足りない」と違和感を覚えたら、それが強調構文のシグナルです。

見分けるポイント
  • 形式主語構文:that以下が完結した文になっている
  • 強調構文:that以下に主語・目的語・修飾語句のどれかが欠けている
  • 語順リーディングでは「足りない感覚」を大切にする
強調構文の基本構造

強調構文「It is/was + 強調される部分 + that + 残りの部分」は、元の文から一部を取り出して強調したものです。「It was John that solved this problem」は「John solved this problem」から「John」を強調部分として取り出した構造です。

2基本的な強調構文

例文 1

It was the development of artificial intelligence that fundamentally transformed the way researchers approach complex data analysis.

語順リーディング
It was
── 「それは〜だった」という導入。
the development of artificial intelligence
「人工知能の発達」が登場。これがwasの後に来ているので、強調されている部分かもしれない
that
thatが登場して「It was ... that」の強調構文の形が確定
fundamentally transformed
── 「根本的に変えた」が、主語が見当たらない。やはり強調構文だ
the way
「方法」が目的語として登場
researchers approach complex data analysis
── 脇道内の動詞。「研究者たちが複雑なデータ分析にアプローチする」。wayを修飾する関係詞節
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
It was → それは〜だった
the development of artificial intelligence → 人工知能の発達
that fundamentally transformed → が根本的に変えた
the way → 方法を
researchers approach complex data analysis → 研究者たちが複雑なデータ分析にアプローチする
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
研究者たちが複雑なデータ分析にアプローチする方法を根本的に変えたのは、人工知能の発達だった。
強調構文では、強調される部分(人工知能の発達)を日本語では最後に持ってくることで、「〜なのは…だった」という強調のニュアンスを表現します。

3形式主語構文との紛らわしい例

例文 2

It was during the economic recession that many innovative startups discovered new market opportunities that traditional companies had overlooked.

語順リーディング
It was
── 再び「It was」で開始。強調構文か形式主語構文かの判断が必要
during the economic recession
「経済不況の間に」という時の表現。時を表す副詞句が強調されているようだ
that
thatで「It was ... that」の形が完成。強調構文の構造
many innovative startups discovered
── 「多くの革新的なスタートアップが発見した」が、時の副詞句が足りない感じがする
new market opportunities
「新しい市場機会」が目的語
that traditional companies had overlooked
脇道に入った(関係詞節)── 脇道内の動詞。「従来の会社が見落としていた」。opportunitiesを修飾
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
It was → それは〜だった
during the economic recession → 経済不況の間に
that many innovative startups discovered → 多くの革新的なスタートアップが発見した
new market opportunities → 新しい市場機会を
that traditional companies had overlooked → 従来の会社が見落としていた
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
多くの革新的なスタートアップが、従来の会社が見落としていた新しい市場機会を発見したのは、経済不況の間であった。
この例では時の副詞句「during the economic recession」が強調されています。「〜したのは…の時だった」という時間的な強調を表現しています。関係詞節が入って複雑に見えますが、強調構文の基本構造は変わりません。

4まとめ

  • 「It is/was ... that ~」の見分けは、that以下の完結性がポイント
  • 強調構文では、that以下に主語・目的語・修飾語句のいずれかが欠けている
  • 形式主語構文では、that以下は完結した文になっている
  • 語順リーディングでは「何か足りない」という違和感を大切にする
  • 強調構文の和訳では「〜なのは…だった」の形で強調のニュアンスを表現
  • 時間・場所・理由なども強調構文で強調される対象となる
  • 関係詞節などが加わって複雑に見えても、基本構造は変わらない

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