第1部 文の骨格をつかむ / 第1章 英語の語順で読む

句と節の階層構造 ─ 文の地図を描く

英文は句(phrase)と節(clause)の入れ子構造になっています。
長い英文ほど、今読んでいるのが本筋なのか脇道なのかを見極めることが重要になります。
語順リーディングでは、文の階層構造を意識しながら情報を整理していきます。

1英文の階層構造とは

英文は単語がただ横に並んでいるわけではありません。句(phrase)節(clause)がブロックのように組み合わさった階層構造になっています。

は動詞を含まない語群(前置詞句、不定詞句など)、は動詞を含む語群(主節、従属節など)です。これらが入れ子状に重なることで、複雑な英文が作られます。

語順リーディングで大切なのは、今読んでいる部分が「本筋(主節の流れ)」なのか「脇道(修飾句や従属節)」なのかを常に意識することです。これによって情報の優先順位を判断でき、英文の構造が見えてきます。

階層構造を意識した読み方
  • 主節の流れ(S-V-O)を最優先で追う
  • 前置詞句や関係詞節は「脇道」として認識
  • 脇道の中でさらに脇道があることもある
  • 脇道から戻った時の位置を覚えておく
発展:構造の可視化

慣れてきたら、読みながら頭の中で文の構造図を描いてみましょう。主節を太い線、従属節や修飾句を細い線で表現すると、文の骨格がより明確に見えてきます。

2例文1:前置詞句の重なり

Example 1

The scientists in the laboratory at the university discovered a breakthrough in cancer research through years of dedicated experiments.

語順リーディング
The scientists
科学者たちが登場。主語として何かをするだろう。
in the laboratory
「実験室の」という修飾。どの実験室かはまだ分からない。
at the university
「大学の」という修飾がさらに加わる。実験室の場所を特定している。
discovered
科学者たちが「発見した」。何を発見したのか期待が高まる。
a breakthrough
「ブレイクスルー」を発見。画期的な発見があったらしい。
in cancer research
「がん研究における」という修飾。どの分野のブレイクスルーかが明確になった。
through years of dedicated experiments
「長年の専念した実験を通して」。発見に至った方法や経緯を説明している。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The scientists → その科学者たちは
in the laboratory at the university → 大学の実験室の
discovered → 発見した
a breakthrough in cancer research → がん研究におけるブレイクスルーを
through years of dedicated experiments → 長年の専念した実験を通して
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
大学の実験室の科学者たちは、長年の専念した実験を通して、がん研究におけるブレイクスルーを発見した。
前置詞句が次々に現れますが、それぞれの修飾関係を整理すれば構造は明確です。「科学者たち」という主語に「実験室の→大学の」という場所の修飾が重なり、「ブレイクスルー」という目的語に「がん研究の」という分野の修飾が付いています。

3例文2:三重の節構造

Example 2

The professor explained that the theory which Einstein developed when he was working on relativity would revolutionize our understanding of the universe.

語順リーディング
The professor explained
教授が「説明した」。何を説明したのかが続きそう。
that the theory
脇道に入った(that節)。「その理論が〜」という内容の説明が始まる。
which Einstein developed
脇道の中でさらに脇道(関係詞節)。「アインシュタインが開発した」理論について詳しく説明している。
when he was working on relativity
さらに深い脇道(時の副詞節)。「相対性理論に取り組んでいたとき」という時期の説明。三重構造になっている。
would revolutionize
脇道から戻って、that節の動詞が登場。理論が「革命を起こすだろう」という内容。
our understanding of the universe
「宇宙に対する私たちの理解を」革命化する。that節の内容が完結した。
和訳プロセス
① 単語のコアイメージをもとに意味をざっくり捉える
The professor explained that → その教授は〜ということを説明した
the theory which Einstein developed → アインシュタインが開発した理論が
when he was working on relativity → 相対性理論に取り組んでいたときに
would revolutionize → 革命を起こすだろう
our understanding of the universe → 宇宙に対する私たちの理解を
② コアイメージの範囲内で、文脈に応じ適切な日本語にする
その教授は、アインシュタインが相対性理論に取り組んでいたときに開発した理論が、宇宙に対する私たちの理解を革命化するだろうということを説明した。
主節「教授が説明した」の中にthat節があり、そのthat節の中に関係詞節とwhen節が入った三重構造です。語順リーディングでは脇道の深さを意識しながら、最終的に主節に戻ってくることが大切です。各節の動詞(explained, developed, was working, would revolutionize)を押さえることで構造が見えてきます。

4まとめ

  • 英文は句と節の階層構造で作られており、語順リーディングでは構造を意識して読むことが重要です
  • 主節の流れ(S-V-O)を最優先で追い、修飾句や従属節は「脇道」として認識します
  • 前置詞句は動詞を含まない修飾句で、連続して現れることがよくあります
  • that節、関係詞節、副詞節などは脇道の典型例で、その中にさらに脇道があることもあります
  • 脇道に入った時は深さを意識し、どこに戻るべきかを覚えておくことが大切です
  • 各節の動詞を見つけることで、文の構造の骨格が見えてきます
  • 構造が複雑になるほど、情報の優先順位を判断しながら読み進める技術が必要になります

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